著者のコラム一覧
神崎浩孝医学博士、薬剤師

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

副作用を利用 花粉症薬が睡眠改善薬として転用されている

公開日: 更新日:

 薬の中には「副作用」を逆手に取って、本来使われてきた症状とは別の症状に使うようになったものがあります。

 市販の睡眠改善薬もそのひとつです。いよいよ本格的な花粉症シーズンが到来して、鼻水、くしゃみ、目のかゆみといった症状に悩まされている方も多いのではないかと思います。

 昔はこれほど花粉症の患者さんは多くなかったような気がするのですが、それは置いておきましょう。

 そうした花粉症の症状を抑える薬といえば「抗アレルギー薬」です。その多くはヒスタミンという生体内の物質を抑えることによって効果を表すため、「抗ヒスタミン薬」と呼ばれています。

 抗ヒスタミン薬の代表的な副作用としては、口の中や喉がカラカラになる口渇や眠気が挙げられます。

 特に眠気は、車の運転や集中して行わなければならない作業の際には危険が伴うため要注意です。

 一方で、この抗ヒスタミン薬の「眠気」の副作用を逆手にとって、「睡眠改善薬」として販売されている薬があります。処方箋がなくても薬局やドラッグストアで購入できる市販薬(OTC薬)で、入眠を促進して睡眠を改善する=眠気を誘う薬です。

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