著者のコラム一覧
神崎浩孝医学博士、薬剤師

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

「スイッチOTC」安全性を重視して短期で使用する薬が多い

公開日: 更新日:

 薬局で買うことができる市販薬=OTC医薬品の市場はメーカー出荷額ベースで8000億円を超える規模があり、そのうち約6800億円が一般用医薬品、約1500億円が指定医薬部外品という内訳になっています。2015年にインバウンド(訪日外国人客)需要によって市場が急拡大したという背景がありますが、現在は横ばいとなっています。

 医療用医薬品から一般用医薬品として買うことができるようになった薬を「スイッチOTC」と呼びますが、その割合は一般用医薬品の約25%を占めています。

 スイッチOTCとして認められている成分は、有効性(効果)と需要があるという条件もさることながら、「安全性が高い成分」であることも重要です。セルフメディケーションを推進するうえで、まずは安全が保たれている必要があるからです。

 スイッチOTCは、湿布薬、塗り薬、目薬といった外用薬が多く、飲み薬では痛み止めや胃薬といった頓服として短期間使う薬が多いのは「安全面」を考慮してのことだといえます。しかし、中には長期間使うスイッチOTCもあります。高脂血症・閉塞性動脈硬化症治療剤の「エパデール」(イコサペント酸エチル=EPA)という薬で、生活習慣病の治療薬としては国内初、国内唯一のスイッチOTCです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁