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中山祐次郎外科医

1980年生まれ。鹿児島大学医学部卒。都立駒込病院大腸外科医師(非常勤)として10年勤務。現在は福島県郡山市の総合南東北病院に外科医として籍を置き、手術の日々を送る。著書に「医者の本音」(SBクリエイティブ)、小説「泣くな研修医」(幻冬舎)などがある。

むしろ安心?診察中に薬辞典を開く医者は信用できるのか

公開日: 更新日:

 山崎豊子の小説「白い巨塔」で描かれた医学界のピラミッド構造と権力争いは、令和の時代になった今でも繰り広げられている。そんな中、どの「医局」にも属さない中山さんは、ある時は院長の急逝で存続の危機にあった福島原発近くの病院で働くなど、自分の職場は自分で決めてきた。フリーランスの立場だからこそ本音も言える。

 ――診察中、お薬辞典のようなガイドブックをおもむろに開く医者がいます。「おいおい、専門家なのに大丈夫か?」とツッコミたくなります。

「診察室で患者さんのいる前で薬辞典のようなものを開く医者は、安心できる医者です。あれは、格好が悪いですし、患者さんの信頼も失いそうなので、できればやりたくない。ですが、患者さんの前でしていないだけで、どの医師も患者さんが退室された後、ポチポチとスマホで調べたり、薬剤師に電話で確認を取ったりしています。私はむしろ、“わからない”と言えない医者を信用できません。薬は暗記するには到底追いつかない量がありますし、後発薬品も多く名前もそれぞれ違います。薬辞典や薬剤師に聞いたりして効能や副作用などを相互確認する。だから患者さんの目の前で調べたりする医者は、間違いなく、いい医者と言っていいでしょう」

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