著者のコラム一覧
名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

テレビ番組の最新健康情報になぜ飛びついてはいけないのか

公開日: 更新日:

 試験管内の実験結果や、動物実験の結果があたかもすぐ人間にも役立つような情報として流されることがしばしばあります。「○○大学のグループがコレステロールの合成をブロックする物質を××から発見」という試験管内の実験結果が、「△△を食べればコレステロールが下がる」みたいなニュースとして流れたり、テレビ番組で大きく取り上げられたりするような場合です。

 元の研究までさかのぼれば、動物実験の結果であることが容易にわかる場合が多いのですが、見出しや結論だけが独り歩きして、あっという間に△△がスーパーからなくなるという事態を引き起こしたりします。

 しかし、動物実験から人間での効果が明らかにされるまでには長い時間を要します。

 例えばコレステロールを下げる薬として今や全世界で広く使われているスタチンという薬を例に見てみましょう。試験管内の実験でコレステロールの合成をブロックする物質として発見されたのは1972年です。さらにサルに使用してコレステロールを下げることが実証されたのが79年、人間の薬として製品化されるのは87年です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった