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永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

大腸がん<4>Ⅳ期の手術 転移巣は後に切除するのが鉄則

公開日: 更新日:

 治療ガイドライン(2019年版)には、肝転移は患者の状態に応じて「同時切除」か「異時切除」かを判断せよ、と書かれています。体力のある患者なら、大腸と肝臓の手術を1日でやってしまうこともあるわけです。ただし、どちらの予後(余命)がいいかに関する、確たる根拠はないようです。一方、肺転移ではまず原発巣を切除し、日を改めて肺をやるのが一般的としています。

 肝臓と肺の両方に転移がある場合でも、まだ望みがあります。「切除により長期生存あるいは治癒が得られることがある」として、可能であれば手術を「弱く推奨」しています。ただ両臓器に転移がある患者の多くは、脳や骨など別の臓器にも転移していることが多く、その場合は手術の対象にはなりません。

 腹膜転移(腹膜播種)は程度によります。原発巣付近のみ、あるいは離れた部分でも少数の転移があるだけなら、原発巣と一緒に切除することを強く推奨しています。しかし、多数の転移がある場合は「切除効果は確立されていない」としており、手術を推奨も否定もしていません。

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