著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

大腸がん<5>切除不能進行再発の抗がん剤治療は5段構え

公開日: 更新日:

 ステージⅢ以下で、手術と術後補助化学療法などを行ったにもかかわらず、再発してしまうことがあります。ちなみに用語に関して、最初から大腸以外の臓器にも腫瘍が認められる場合は「転移(肝転移、肺転移など)」と言っています。一方で、肉眼で確認できる限りの腫瘍を切除したにもかかわらず、どこかの臓器(大腸とは限りません)に腫瘍が出現してきた場合は「再発」と言います。肝臓に出現すれば肝再発、肺なら肺再発といった具合です。

 ガイドライン(2019年)では、再発臓器が1つだけで、手術が可能な状態であれば「積極的に切除を考慮する」と書かれています。また2カ所以上でも可能であれば「切除を考慮してもよい」となっています。特に肝・肺再発に関しては、ステージⅣの肝・肺転移と同様、切除を(弱く)推奨しています。

 さらに切除不能と判断された転移や再発についても、「全身薬物療法(抗がん剤治療のこと)が奏功して根治切除が可能になる症例が存在する」として、その場合は手術を(弱く)推奨しています。大腸がん患者に複数回の手術経験者が多いのは、そういう背景があるからでしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  2. 2

    国民民主党の支持率ダダ下がりが止まらない…ついに野党第4党に転落、共産党にも抜かれそうな気配

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    来秋ドラ1候補の高校BIG3は「全員直メジャー」の可能性…日本プロ野球経由は“遠回り”の認識広がる

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  3. 8

    脆弱株価、利上げ報道で急落…これが高市経済無策への市場の反応だ

  4. 9

    「東京電力HD」はいまこそ仕掛けのタイミング 無配でも成長力が期待できる

  5. 10

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー