松本零士さんは伊で救急搬送 海外旅行の高額医療費の備え

公開日: 更新日:

旅行前には必ず保険適用条件の確認を

 気になるのは、治療・救援費用で支払われた保険金だろう。1位はハワイのホテルの部屋で意識を失ったケースだ。救急車で病院に搬送され、心筋梗塞と診断され、手術を受け、19日間入院したところ、3052万円に上った。〈別表〉の通り、トップ5は2000万円超で、心筋梗塞が3件。

 治療費が補償されたすべての件数のうち、65歳以上は4割。14年度の56%から年々低下傾向にあるが、300万円以上をカバーした高額医療費用事故に限ると、65歳未満の4倍という。その最多の要因が脳卒中で、転倒によるケガや肺炎心臓病などが並ぶ。

 どれも重い病気ばかりだが、同社の資料を見渡すと、腹痛と下痢による腹部痛の診断で1081万円を支払った米国のケースも報告されている。詳しい病名は不明だが、腹部痛で一般的なサラリーマンの年収を上回る医療費はシャレにならないだろう。そこで海外旅行保険だが、選び方はどうするか。経済評論家の荻原博子氏が言う。

「クレジットカードには海外旅行保険が付帯されているものがありますから、旅行前には必ず保険が適用される条件を確認しておくこと。治療費の保障には限度額がある。年齢や旅行先の衛生面、治安などによって、足りない部分だけカバーするといい。ネット系の損保なら、必要な分の保障だけ組み合わせることができますから」

 現地での医療費は負担しなければいけないが、その負担を軽くするテクニックもあるという。

「海外療養費制度がそれです。海外の医療機関で受け取った領収書と明細を健保組合や自治体に提出すると、年収と年齢に応じて、支払った金額の7割か8割が日本円に換算して後日、支払われます」

 海外療養費の対象になるのは、日本で保険適用になっている治療に限られるが、覚えておいて損はない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “芸能界のドン”逝去で変わりゆく業界勢力図…取り巻きや御用マスコミが消えた後に現れるモノ

  2. 2

    落合博満さんと初キャンプでまさかの相部屋、すこぶる憂鬱だった1カ月間の一部始終

  3. 3

    渡辺謙63歳で「ケイダッシュ」退社→独り立ちの背景と21歳年下女性との再々婚

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    米価高騰「流通悪玉論」は真っ赤なウソだった! コメ不足を招いた農水省“見込み違い”の大罪

  1. 6

    大阪万博は鉄道もバスも激混みでウンザリ…会場の夢洲から安治川口駅まで、8キロを歩いてみた

  2. 7

    悠仁さま「9.6成年式」…第1子出産の眞子さん、小室圭さんの里帰りだけでない“秋篠宮家の憂鬱”

  3. 8

    参政党議員「初登院」に漂った異様な雰囲気…さや氏「核武装」に対しゼロ回答で現場は大混乱

  4. 9

    ダルビッシュの根底にある不屈の反骨精神 “強いチームで勝ちたい大谷”との決定的な違い

  5. 10

    悠仁さま「友人とガスト」でリア充の一方…警備の心配とお妃候補との出会いへのプレッシャー