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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

長渕剛が母の介護を告白 認知症併発のがんは待機療法も

公開日: 更新日:

 がん単体での付き合い方は、早期発見・早期治療がセオリーです。検診をきちんと受けて1期で治療を受ければ、95%は治ります。がんになる人は3人に1人が65歳以下の現役世代で発症しますから、仕事と治療の両立も難しくありません。引退後の生活も楽しむことができます。

 しかし、認知症を併発したがん患者さんが増えると、どうなるでしょうか。セオリーが当てはまらなくなるかもしれません。すぐに症状を出さないタイプのがんは、経過観察にとどめ、積極的に治療をしないケースが増えると思います。

■前立腺がんはPSAでフォロー

 たとえば、前立腺がんは日本人男性で急増しているがんです。がんが小さく、悪性度が低いタイプは、治療をせず、PSAという腫瘍マーカーの推移を見守る待機療法という手段が、今すでにあります。PSAが上昇して、がんが悪化しそうな時に治療するスタンスです。

 そういうタイプの前立腺がんは進行が比較的遅く、がんが悪さをする前に寿命を迎えることがあります。寿命を縮めないのなら、治療しなくていいのではないかという考え方です。

 今後、そういう考え方が、他のがんでも広がっていくかもしれません。長渕さんの報道に触れ、そんな気がしています。

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