著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

血糖コントロールは冬に悪くなる 春はリカバリーに注力を

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■イスに座る時間を減らすだけでも効果が

 対策の基本は、食事です。糖尿病の患者さんにとっては耳にタコかもしれませんが、糖質、塩分、脂質は少なめに、バランスの良い食事を取る。まだ糖尿病でない人も、冬に血糖値が高い状態を積み重ねれば、いつか糖尿病となってしまいます。春には食事の見直しを行いましょう。幸いなことに、春は野菜がとてもおいしい。やわらかく甘味がある春野菜を、ごく少量の塩やオリーブオイルで味付けしていただくのはどうでしょうか?

 加えて、運動もやはり必要です。本来であれば、気候がいい季節ですので、「積極的に外に出掛け、散歩や運動をしてください」と言いたいところ。

 ただ、状況が状況だけに、散歩や運動をするなら、人とあまり接触しない広い公園や遊歩道などで行ってください。

「運動」というレベルまでいかなくても、食後にストレッチをしたり、イスに座っている時間を減らすだけでも効果があります。血糖値が高めのある40代男性は、持病の腰痛を何とかしたいと、仕事中、1時間おきに立ち上がって社内を歩いたり腰を伸ばすストレッチをしていたところ、ほかに運動をしていないのに、体重が1カ月で2キロほど落ちたそうです。これならすぐやれそうではありませんか? 夕食後にするだけでも効果的です。

 新型コロナウイルスが心配ではありますが、ストレスをため込まないことも大事です。自宅にいる時間が増えたのを利用して、体によく、おいしい料理作りに取り組むのもひとつの手。ご家族にもきっと喜ばれますよ。

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