高熱を下げる解熱鎮痛薬の選び方 イブプロフェンはNGか

公開日: 更新日:

「COXには内皮細胞を保護して粘膜を修復させる働きもあります。NSAIDsはその働きを阻害してしまうので、胃腸障害などの副作用が表れるのです。胃腸だけではなく、血管の内皮細胞の保護作用も抑制するため、例えばインフルエンザなどで高熱が出て、脳の血管が炎症を起こして傷んでしまっているときにNSAIDsを服用すると、血管の修復を阻害して脳血管に損傷を招き、脳症の悪化につながるのではないかと考えられています」(神崎浩孝氏)

 2000年度の「インフルエンザ脳炎・脳症の臨床疫学的研究班」の調査では、NSAIDsを使用したグループは、他の解熱剤を使用したグループと比べて予後が悪かったと報告されている。厚労省は、明確な因果関係は認められないもののインフルエンザ脳炎・脳症患者に対してNSAIDsの投与を禁忌とした。

 神崎氏の見解では「38度5分を超えるような高熱が出た場合、熱性けいれんを防いだり、臓器へのダメージを考えると解熱したほうがいい」という。インフルエンザと同じくウイルス感染症である新型コロナウイルスでも、高熱が出たときはアセトアミノフェンを使うのが無難といえる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋