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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

検診も手術も続々延期で…患者が絶対に押さえたい行動基準

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 すい臓がんは、がんの中でも難治がんといわれます。そんな厄介ながんを克服したのが、元サッカー伊代表のジャンルカ・ビアリ(55)です。17カ月に及ぶ化学療法ですい臓がんを克服したと報じられています。

 サッカー雑誌の報道では、2回の検査が陰性とありました。「陰性」の意味を解釈すると、恐らくゲムシタビンという抗がん剤が効いて、腫瘍マーカーが正常化した、あるいはCTなどの画像から影が消えたということでしょう。その使用条件は切除不能の進行がんだけに、再発の可能性は否定できません。

 一方、私の知人は3年前に人間ドックですい臓がんを早期発見。手術で切除しました。これは根治といってよく、再発リスクは少ない。すい臓がんもほかのがんと同じように早期発見が大切ですが、今、新型コロナウイルス問題で早期発見の体制が崩れています。

 厚労省の保険局や健康局、労働基準局がそれぞれの立場で健診について通知していて、最も踏み込んでいるのが保険局です。緊急事態宣言が全国に拡大されたことを受けた4月17日の通知では、「特定健康診査等については、少なくとも緊急事態宣言の期間において、実施を控えること」とあります。

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