著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

検診も手術も続々延期で…患者が絶対に押さえたい行動基準

公開日: 更新日:

 この通知にはQ&Aも作られていて、それを読み解くと、緊急事態宣言の期間後も控えてもらいたいという内容になっていることから、いわゆるメタボ健診の特定健診のみならず、健保組合の補助で行う人間ドックやがん検診も実施できない方向に議論が進んでいるのです。

 読者の方も、会社などから各種健診の延期を伝えられたかもしれません。実は私も、その被害をこうむった一人です。毎年この時期に大腸がんの早期発見のため、大腸内視鏡検査を受けていますが、キャンセルせざるを得なくなりました。そんなことが全国で起こっているのです。

 感染がピークを越えると、今度は健診ラッシュが起こります。そのとき、なるべく早いうちに予約を取ることが大切です。

 毎年きちんと受けてきたのに、「今年はいいか」と2年空けるのはよくありません。

 この原稿を書いていると、がん研有明病院のニュースが飛び込んできました。院内感染の拡大で医師や看護師が自宅待機になり、がんの手術を当面8割減らすというのです。発見が遅れた上、手術の順番待ちがあると、救える命が救えなくなる恐れがあります。

 この局面では、早期発見と同時に治療法の選択も重要です。米国は手術が半減する一方、放射線治療はあまり減っていません。今後、日本でも放射線治療が見直されるでしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲