著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」名誉院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

これも条件反射なの?「水の音」聴くとトイレが近くなる

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 しかし、尿意を認識するキッカケとなる最も低い刺激の値(閾値=いきち)は、さまざまな外部からの影響で変化します。膀胱内の尿が多くなくてもトイレが近くなるのです。

 その代表的な外的要因は「冷え」です。「冷たい水で手を洗う」なども同じです。それから「誰かがトイレに行くのを見る」「水の流れを見る」などの視覚刺激。「水の音」は聴覚刺激になります。また、「水を飲むとすぐトイレに行きたくなる」という人も、中枢神経(大脳皮質)を介して尿意の閾値が下がるのです。

 逆に、地震や火事などの非常事態は強い緊張(交感神経が優位)によって尿意は遠のきます。しかし、試験前や会議前などの緩い緊張状態ではむしろ尿意が近くなります。これは「途中でトイレに行けない」ことの過去の経験による不安から脳が敏感になり、より尿意を感じやすくなる「心因性頻尿」といえます。

 それから「お風呂場に入ると尿意をもよおす」という人も多くいます。これも水の音や流れによる「条件反射」の影響もあるでしょう。また、子供の頃にお風呂場で排尿した気持ちよさの経験が、脳に記憶されている人もいるでしょう。加えて、湯船につかると全身の筋肉や脳がリラックス状態(副交感神経が優位)になり、排尿をつかさどる神経や筋肉が緩んで尿が出やすくなることも関係していると思われます。

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