著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

夫が高血圧、糖尿病、脂質異常症なら妻も発症しやすい

公開日: 更新日:

脂質異常症は2.58倍高く

 夫婦は顔が似てくる、と言いますが、夫が生活習慣病の場合、妻も生活習慣病のリスクが高くなるという研究結果も報告されています。

 研究を行ったのは、筑波大学医学医療系ヘルスサービスリサーチ分野/ヘルスサービス開発研究センターの田宮菜奈子教授らです。2016年国民生活基礎調査のデータを2次利用し、40歳以上の夫婦8万6941組を対象に分析しました。

 その結果、夫が高血圧糖尿病、脂質異常症で治療を受けている場合、その妻は、夫がそれらの生活習慣病で治療を受けていない妻と比べて、同じ病気で治療を受けている割合が高いことが分かりました。さらに、夫婦の居住場所や経済状況、妻の年齢・学歴・飲酒・喫煙・ほかの疾患での治療の有無の影響を調整し、夫が高血圧、糖尿病、脂質異常症で治療を受けている場合の、妻が同じ病気で治療を受ける相対リスクを推定しました。

 すると、夫が高血圧、糖尿病、脂質異常症で治療を受けている妻は、同じ病気で治療を受けるリスクが高血圧1.79倍、糖尿病1.45倍、脂質異常症2.58倍高くなることが明らかになりました。

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