著者のコラム一覧
松生恒夫医学博士

昭和30(1955)年、東京都出身。松生クリニック院長、医学博士。東京慈恵会医科大学卒。日本消化器内視鏡学会専門医・指導医。地中海式食生活、漢方療法、音楽療法などを診療に取り入れ、治療効果を上げている。近刊「ビートルズの食卓」(グスコー出版)のほか「『腸寿』で老いを防ぐ」(平凡社)、「寿命をのばしたかったら『便秘』を改善しなさい!」(海竜社)など著書多数。

ハンブルクでの活動中、彼らの食生活はひどいものだった

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 ジョンが美術学校に在籍していた当時、ポール・マッカートニーとジョージ・ハリスンの家が美術学校に近かったので、ランチタイムにはホタテのフライとフライドポテト(チップス)を買ってきてバンドのメンバーと食事を共にしたあと練習を始めていたそうです。彼らが住んでいたリバプールは港町だったので、魚のフライばかりではなくホタテのフライもあったのでしょう。

 シンシアがポールの家へ遊びに行ったとき、ポールの父親・ジムが食事を作っている最中で、そのメニューは当時のリバプールではごく一般的なベーコンエッグにフライドポテト、そして煮豆という内容でした。

 1960年代になると彼らはハンブルクに演奏旅行に赴きますが、このときの食事はひどかったようです。朝食はミルクをかけたコーンフレークやチキンやトマトのスープをカフェでとり、昼食は色あせた野菜や灰色の肉、酢のにおいが強いザワークラウト(キャベツの漬物)がテーブルに載っている大衆食堂に出向くのが定番でした。

 昼食を波止場近くの英国船員団体宿舎の食堂で食べることもありましたが、中身はフィッシュ&チップス(白身魚のフライとフライドポテトの組み合わせ)などの軽食類でした。ハンブルクでは一晩に何ステージもこなすハードな仕事のため、ステージ上で大量のビールを飲み、無料で提供されたサラダを食べるという生活でした。メンバーが二十歳前後だったからこそ続けられたのでしょう。この頃の写真を見ると、メンバー全員とてもスリムなのですが、決して食生活に恵まれていたわけではありませんでした。 

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