著者のコラム一覧
神崎浩孝医学博士、薬剤師

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

五月病が長引くようなら漢方薬を試すのも選択肢のひとつ

公開日: 更新日:

 スギ花粉も落ち着き、新年度が始まりました。新生活で起こりやすいのが「五月病」です。五月病は「病」といっても医学的な診断名ではなく、新入生や新入社員といった環境が大きく変化した人が、5月ごろに生じやすい「精神の不安定状態」や「やる気の低下」を指します。

 医学的には、軽度のうつ症状や適応障害と診断されるものです。「うつ病」ではないので注意してください。適応障害は、環境変化など急性のストレスの後に早期に発症するのに対し、うつ病は数カ月にわたる慢性のストレスの後に発症するのが一般的です。ですから、五月病は適応障害または「うつ症状」ということになります。

 時間とともに回復してくるのが一般的ですが、症状が長引くようなときには、専門医に診てもらった方がよい場合もあります。五月病は、成人の学生や働いている人だけでなく子供でも発症します。本人が新しい環境に身を置くわけではなく、たとえば親など周囲の環境が変化した場合でも症状が表れるケースもあります。また、本人から苦痛を訴えるということは比較的少ないので、周りの人が気づいてあげることも早期発見のためには重要です。

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