脳<下>「ブレーンフード」コリンに注目 記憶や筋肉に関係

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 では、ブレーンフードとは、どのような食べ物になるのか。特に注目されるのは「コリン」という栄養素だ。コリンは、たとえば大豆に含まれている「大豆レシチン」の名称で親しまれているもので、これを摂取すると肝臓でコリンに合成される。それが脳に送られて神経伝達物質の「アセチルコリン」が合成される。つまり、コリンを食べなければアセチルコリンはできないのだ。

「アセチルコリンが大切なのは、3つの重要な役割があるからです。脳の中の『大脳基底核』という神経細胞集団の働きを良くして、『記憶を助ける役割』があります。もうひとつは『筋肉を動かす役割』。3つ目は『副交感神経を働かせる役割』です。記憶を助ける役割では、アセチルコリンが不足すると、一時記憶に関わるワーキングメモリーがうまく機能しません」

 すでに30年ほど前に、アルツハイマー病の患者の脳でアセチルコリンの減少が発見されている。それによって開発されたのが「アリセプト(一般名・ドネペジル)」という薬だ。この薬は、アセチルコリンを分解する酵素を阻害することで効果を発揮する。ただし、アルツハイマー病の初期の進行を遅らせるだけで、症状を改善させる効果は認められていない。

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