著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

HPVワクチンの積極的推奨を再開 “失われた8年”に生まれた女性のがんリスク

公開日: 更新日:

 こうしたデータから公的接種の対象年齢には幅がありますが、その中でもなるべく早く接種する方がよいでしょう。そうすれば毎年1万1000人が発症し、およそ2800人が命を落とす子宮頚がんを免れることができるのです。発症のピークは30代後半。女性として、とても大切な時期ですから接種しない手はないと思います。

 性交渉をしていてもHPVに感染していなければワクチンは有効。海外の報告では、45歳まで効果が認められます。

 今回、問題となるのが失われた8年の扱いでしょう。この間、接種率は一時、1%未満に激減。無料接種の対象であることさえ知らずに、チャンスを逃した人が相次いでいるのです。13年の対象者は今、20~24歳になっています。

 そこで、厚労省は「キャッチアップ接種」として、公費接種を逃した人を救済する制度を導入。その対象者をどうするか検討していますが、3つの案のうち1997年~2005年度生まれのすべてを対象とする案に落ち着きそうです。

 大阪大の研究チームは失われた8年の間に生まれた女性の子宮頚がんリスクを調査しました。それによると、2000年度生まれは、発症と死亡がそれぞれ3651人、904人増えると推計しています。01年度は4566人.1130人、02年度は4645人.1150人、そして03年度は4657人.1153人です。

 この責任をだれが取るのでしょうか。今後、問題になりそうです。

 ワクチン接種と副反応の因果関係は否定されていますが、万が一、副反応が見られたら、自治体の予防接種担当課に相談すると、補償が受けられる可能性があります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  2. 2

    視聴率の取れない枠にハマった和久田麻由子アナの不運 与えられているのは「誰でもできる役割」のみ

  3. 3

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  4. 4

    嵐が去る前に思い出す…あの頃の「松本潤」と「大野智」

  5. 5

    田中将大が楽天を去った本当の理由…退団から巨人移籍までに俺とした“3度の電話”の中身

  1. 6

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 7

    あのちゃん追い風だった女優業に暗雲の炎上!「嫌いな芸能人」発言で反撃される痛恨

  3. 8

    高市首相応援議連「国力研究会」発足 “大政翼賛会”に入会しなかった70人と主な議員の名前

  4. 9

    巨人“育成の星”のアクシデントに阿部監督は顔面硬直、原辰徳氏は絶句…桑田真澄氏の懸念が現実に

  5. 10

    出口夏希の“男選び”がもたらす影響…伊藤健太郎との熱愛報道と旧ジャニファンが落ち込む意外