統合失調症のAI早期診断プログラム 5年以内の実用化を目指す

公開日: 更新日:

「統合失調症の疑いは、『認知機能』のテストや『眼球運動』を調べることによって、ある程度は判別することが可能です。これらのデータを1000例単位でAIに学習させて、その解析結果を診断の補助に役立たせるのです。このプログラムは研究レベルではすでに完成していて、いまは臨床現場の医療スタッフが簡単に使えるように実用化研究を進めている段階です」

 簡単に言えば、プログラムをタブレットなどの端末に落とし込み、患者に画面上の質問に答えてもらったり、画像や動画を見てもらい眼球運動の特徴をとらえたりして、それをAIが解析するといった仕組みだ。

 統合失調症を判別する眼球運動の特徴は、橋本部長が大阪大学准教授時代に京都大学グループとの共同研究で発見したもの。

 2014年当時の発表では、この方法を用いると統合失調症患者と健常者を88%以上で判別できるとしている。

「多くの医療スタッフの人たちに簡単に使ってもらえるレベルのシステムにすると、研究レベルのものよりも精度は落ちると思います。しかし、それはプログラムを工夫することでカバーできると考えています。将来的には、医療現場だけでなく心の健康相談の窓口になっている保健所などの施設でも使ってもらえる医療機器にしたいと思っています」

 5年以内の薬事申請を目指しているという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」