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安井謙二整形外科医

東京女子医大整形外科で年間3000人超の肩関節疾患の診療と、約1500件の肩関節手術を経験する。現在は山手クリニック(東京・下北沢)など、東京、埼玉、神奈川の複数の医療機関で肩診療を行う。

「そのうち治るものではない」が医師にも理解されていない

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「平成28年国民生活基礎調査」によると、日本人が悩む身体症状の女性1位、男性2位が肩凝りです。この調査はせきが出るなどの内科系の不調も含めているので、いかに多くの日本人が肩の問題に悩まされているかが分かります。

 臨床現場にいて気付くのは、「五十肩」と思っていたり、言われたりしたのに治らないという人が多いということです。

「五十肩」という言葉は江戸時代の「俚言集覧」という本の中で初めて紹介され、「五十歳くらいになって手や腕の関節が痛むことで、時が来ると自然と治るもの。長命病ともいう」とあります。興味深いのは五十肩が「長命病」と呼ばれていたこと。当時は50歳まで生きたら長生きの部類に入っていたのでしょう。

 現代では五十肩は、広義の意味と狭義の意味を持つようになりました。広義の意味は、中年以降に肩の痛みと可動制限を伴う症状のもの全般を漠然と指しています。つまり何が原因かはっきりしていない段階ということ。そのうち治ると軽視されがちなのも特徴的です。

 一方、狭義の意味は激しい肩の痛みと、尋常でない可動制限を生じる「凍結肩」という病気を指します。そのうち治ると悠長に構えていられず、治療と回復にも難渋し、長期化することがみられます。

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