著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

早期の大腸がんで良績 新たな内視鏡治療「ESD」の課題

公開日: 更新日:

 2022年のがん罹患数予測では、大腸がんが男女合わせて15万8200人で1位。このがんは食の欧米化との関係が強く、このところ急増しているのです。そんな大腸がんにうれしいニュースが報じられました。

 国立がん研究センターなどが、早期の大腸がんにESDと呼ばれる新しい内視鏡治療の効果を調べた結果、5年生存率が94%に上ったのです。従来の内視鏡治療に取って代わり、標準治療になるかもしれません。

 従来の内視鏡治療は、がんやポリープの根元に直径2~3センチのスネアという金属製の輪をかけて切除します。スネアの大きさに制限されるため、従来の治療対象は「最大径が2センチ未満」が原則でした。

 治療の安全性が高く、短時間で治療できるため、外来で行うことができます。内視鏡検査でポリープなどが見つかると、2センチ未満ならその場で切除することも可能。読者の皆さんも、大腸内視鏡検査での切除を経験したことがあるかもしれません。あれが、従来の内視鏡による切除ですが、大きさによってはがんの取り残しのリスクがあり、再発率が10%以上と高いことが課題でした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々