がんと闘うための「心構え」…動揺や不安を抱えたまま大きな決断をしてはいけない

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②「標準治療」を信頼する

 がんの治療法を選択する際、必ず耳にするのが「標準治療」だ。現在は「手術」「化学療法(抗がん剤)」「放射線治療」の3大治療が基本になっている。

「標準治療というのは、科学的根拠=エビデンスに基づいて、現時点で実施できる最良の治療であることが示された治療のことです。大規模な臨床試験の結果から、有効性が高いことや、副作用の不利益についてもしっかり検討したうえで、一般的な患者さんへの実施を推奨できると専門家が判断した治療が標準治療となります。それぞれの学会が作成した診療ガイドラインで定められています。日本のがん医療は、標準治療とガイドラインの普及によって全体の治療レベルが明らかに向上しました。決して“並でそれなりの治療”ということではないのです」(佐々木氏)

 がん治療では、まずは現時点で最良である標準治療を信頼して、治療に臨むのが基本となる。ただし、たとえ標準治療が効かなくなった場合でも、それで「もう治療法がない」というわけではない。

「現在はまだ標準治療にはなっていなくても、しっかりした臨床発表で良好な結果が示されている治療法もあります。もちろん、患者の不安につけこむような医学的根拠のない民間療法や代替療法ではありません。標準治療に効果がなくなった時点ですぐに緩和医療をすすめられる場合もありますが、医師と患者は、他に適応となる治療法はないか、その病院ではできない治療でも他の施設では可能な方法などについて、一緒に真剣に考えていくべきです」(佐々木氏)

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