もし自分が認知症になったら…どこまで自覚できるのか?

公開日: 更新日:

 認知症の方が自身の症状を自覚するケースは極めて珍しいと考えられています。自身で自覚症状を訴えて、私のクリニックをはじめ物忘れ外来を訪れる方の9割以上が別の病気の診断をされています。精神疾患のひとつである「不安障害」で記憶力の低下が起こっていたり、加齢による「物忘れ」であるケースがほとんどです。「物忘れ」というのは、記憶の所々に空白ができている状態なので、仮に「朝食を食べたっけ?」と思っても、周囲が「今朝は味噌汁と卵焼きを食べていませんか?」とヒントを与えると思い出すことができます。しかし、「認知症」は記憶の一部分が丸ごとなくなるので、食べた事実を認知できません。つまり、自分で物忘れ外来を訪れる方は、自身が忘れっぽくなったと認知ができているので、認知症ではない可能性が高いです。

 残り1割は、「置いたはずのものが見当たらない」「会社で注意されることが増えた」「少し前にできた調理の手順が思い出せない」などと日常に異変があって、それを家族や周囲に指摘される回数が増えて、病院にかかったケースです。

 一方で、家族や周囲の方に付き添われて来られる患者さんはほぼ認知症の診断を受けています。そのため、社会のコミュニティーに属さず、独居の高齢者は発見が遅れます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも