赤ちゃんが生まれる一歩手前の「切迫早産」に注目の新治療が

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 妊娠の順調な経過で赤ちゃんが生まれるのは妊娠37~42週未満。妊娠22週から37週未満で生まれるのが「早産」で、「切迫早産」は、子宮の出口が開きかけ、赤ちゃんがかろうじて妊婦のお腹にとどまっている、まさに出産の一歩手前だ。

 早産は赤ちゃんへの合併症のリスクがあり、あまりに週数が早いと生命に関わることもあるため、早産回避のためのさまざまな手が打たれる。感染対策、喫煙やアルコールといった早産を起こしやすい生活習慣の改善などだ。済生会横浜市東部病院産婦人科の佐々木拓幸医長が言う。

「前回の妊娠が流産や早産の場合、今回も早産になりやすい。検査で子宮の入り口が緩む子宮頚管無力症や、子宮頚管長(子宮の入り口の長さ)が短いなど早産を起こしやすい要因が見つかれば、子宮の入り口を糸で縫い縮める子宮頚管縫縮術を予防的に行います。ただ、これが安全に行える期間は限られています」

 そもそも切迫早産になるかどうかは、事前にわからないことも多い。初産ならなおさらだ。つまり、予知して治療が難しい。そこで切迫早産が判明すれば、速やかな対処が重要となってくる。

 切迫早産は、子宮内で羊水とともに赤ちゃんを包んでいる膜が破れて羊水が流れ出る「破水」で判明する場合もあれば、破水がない場合もある。

「破水のない切迫早産では、子宮収縮の有無と頚管長短縮(子宮の入り口の長さが短い)で診断されます。自覚症状の有無にかかわらず日本では、切迫早産の治療は入院で安静、そして子宮収縮抑制剤の投与がスタンダード。ただ、この期間が長くなると、薬の副作用の問題がお母さん、赤ちゃん双方に生じてきます。点滴につながれ長期間ほとんど動けないので、お母さんのストレスも大きい。そこで長期入院ではなく、外来管理を安全に行うために私が試みたのが、子宮頚管ペッサリーを挿入する治療法です」

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