著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

ビタミンのサプリメントで骨折が増える 1.5倍のリスク報告も

公開日: 更新日:

 健康のために、サプリメントを使用している人は多いと思います。多種多様なサプリメントが存在していますが、医学的にその価値が確認されているものはほとんどありません。今年公表された米国予防医学専門委員会の報告書によると、ビタミンとミネラルのサプリメントの中で、明確に健康への良い影響が科学的に確認されたものはなく、特にβカロテンとビタミンEを取りすぎると、むしろ病気の危険が高まる可能性がある、と指摘されています。

 多くの人が使用しているマルチビタミンについても、その有効性は確認されませんでした。ビタミンの中でもビタミンB群のような水溶性ビタミンは、体で過剰になれば水に溶けて尿から出ていくので、たくさん取っても問題はないと考えられていました。しかし、2019年の米国医師会関連の医学誌に発表された論文によると、ビタミンB6とB12をサプリメントで大量に取っている閉経後の女性は、50%近くも大腿骨頚部骨折のリスクが増加したと報告されているのです。

 その原因は不明ですが、ビタミン自身が骨の代謝に悪影響を与えた可能性も指摘されています。食事から栄養が不足気味の場合には、サプリメントの活用は有効ですが、食事がしっかり取れているのに、健康のためにサプリメントを取ることは、危険な場合もあるようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった