ふらつき、めまい、息切れ…60歳以上は脳梗塞につながる心房細動を疑え

公開日: 更新日:

 心房細動は増えており、その傾向は今後も続くと推測されている。

「心房細動が慢性的に起こっている慢性心房細動は100万人以上いるだろうと推測されています。発作的に起こる発作性心房細動も同じくらいいるとみられ、心房細動全体では200万人くらいと考えられます」(矢坂医師=以下同)

■「ノックアウト脳梗塞」の危険

 心原性脳塞栓症は「症状が重い」と前述した。心房細動によってできる血栓は、そのほかの血管にできる血栓より大きいことが多く、脳の比較的大きな血管に閉塞を起こすこともあり、そうなると脳の広範囲に障害が及ぶからだ。

「脳の一部が死に、脳浮腫や出血性脳梗塞となって脳ヘルニア(脳圧が高くなり、脳組織の一部が脳の中の境界や隙間からはみ出す状態)に至ると、救命は難しい。『ノックアウト脳梗塞』とも呼ばれるほどで、助かっても寝たきりになるなど元の状況には戻れない」

 心原性脳塞栓症は再発率も高い。発症2週間以内で16~20.3%、慢性期で年間12%。発症後10年間で75%という報告もある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い