9人に1人が乳がんを罹患 10年生存率をほぼ100%を可能にするポイント

公開日: 更新日:

 マンモだけが住民検診となっている理由は、マンモだけが乳がん死亡率を下げるというエビデンスがあるからだ。ただし、このエビデンスは海外のデータになる。

 マンモは乳がんの初期症状である微細石灰化の発見については強いが、しこりには弱い。乳房の中には乳腺という組織があり、乳腺の濃度は人によって異なるのだが、日本人、特に若い人はデンスブレスト(高濃度乳房)という乳腺濃度が濃いタイプが多く、マンモでは乳房全体が白く映ってしまうからだ。

 乳がんの可能性を示すしこりも白く映るため、雪山で白うさぎを探すかのようになり、しこりを見つけづらい。その点、超音波はしこりが黒く映るので、デンスブレストでもしこりと乳腺の区別がつきやすい。

「当院では超音波をメインにし、そこにマンモを組み合わせています。マンモ併用の頻度としては、30代前半で1回、後半で1回、乳がんが急増する40歳以上は毎年。マンモが痛くてつらい人も、2年に1回はマンモを組み合わせることをお勧めしています」

 近年、注目を集めているのが、乳がん発症ハイリスク女性に対するMRI検査だ。日本の乳がん診療では、乳がんの診断後に使われることがほとんどだが、診断前のスクリーニングの段階でMRIを用いる動きが出てきている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  4. 4

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  5. 5

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  1. 6

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  2. 7

    DeNA藤浪晋太郎がマウンド外で大炎上!中日関係者が激怒した“意固地”は筋金入り

  3. 8

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます

  4. 9

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  5. 10

    吉村府知事肝いり「副首都構想」に陰り…大阪万博“帰宅困難問題”への場当たり対応で露呈した大甘な危機管理