前立腺がん治療最前線…がんだけを狙い撃ち、尿失禁ゼロの先進医療

公開日: 更新日:

 HIFUでは、強力な超音波で細胞を破壊する。実は、HIFU自体はそう新しい治療法ではない。日本や諸外国で1999年から行われるようになったが、当時は前立腺全体への治療で、尿道狭窄が生じて排尿が困難になるという課題があり、存在感が薄れていったという。HIFUの「狙い撃ち」という特徴を最大限に生かせられるようになったのは、治療機器の技術や生検技術が向上したからだ。

「『前立腺がんか、あるいは正常か』ではなく、『どこに、どのくらいの大きさのがんが、どの程度の悪性度で存在するのか』まで診断できるようになったのです」

 前立腺がんが治療に至る一般的な流れは、「PSAという腫瘍マーカーが高値↓前立腺に数カ所針を刺し組織を採取。顕微鏡で観察(生検)↓がんなら標準治療の外科手術または放射線治療」。ここに課題がある。

「生検で針を刺していない場所にがんがあると、がんを見逃されるリスクがある。熟練した医師でも、そのリスクは一定数あります」

先進医療認定で自己負担額が減る

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い