著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

私たちは過剰に「幸・不幸」の想像を膨らませる傾向がある

公開日: 更新日:

 実際には、自分が幸せだと考えれば、ものごとのインパクトに関係なく幸せなことは幸せだし、不幸なことは不幸なのです。出来事の大小はさほど関係ない……。つまり、人間は幸福感を自分でコントロールできる生き物なんですね。まったく真実は異なるのに、事の重大さを勝手に決めつけてしまう人間という生き物は、困った生き物であり、身勝手な生き物なわけです。

 ですから、結局のところ、「完璧」も人それぞれだということ。あなたが完璧を目指しても、Aさんはそれを完璧だと思うかどうかは分からない。さらには、あなたがミスだと思って指摘したことを、Aさんはミスだと思っていないかもしれません。

「世の中には、いい人もいる、嫌な人もいる。人生にはいろいろある。人なんて、人生なんて、そんなもんだよな」

 完璧を追求することも大事でしょうが、それ以上に「森羅万象に完璧なんてありえない」と割り切ることもとても大事なことです。

 自分の幸福度を向上させるには、「自己決定」が欠かせません。また、人は自分で決意・決断したと思うことに対しては心から納得し、それに従って行動する傾向があります。これを心理学用語で「凍結効果」といいます。他人に判断を委ねたり、隣の芝生に影響されたりすることは、それだけ意志が弱くなり、匙を投げやすくなってしまいます。自分は自分、他人は他人。自分で幸福感をコントロールするようにしましょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?