著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

進行性大腸がんの50歳男性の「最後の願い」をかなえるために

公開日: 更新日:

「エンシュア(栄養剤)とか飲んだことありますか?」(私)

「飲んでます」(本人)

 処方される薬に対する理解があり、自分の言葉ではっきりと病状や不安をおっしゃる方で、その分つらさもひしひしと伝わります。ですがお互い忌憚なく対話でき、診療する私たちにとっても助かりました。

 1週間の訪問診療を終え、東北に帰るときが来ました。

「息苦しいとかはありますか?」(私)

「今少しマシなんですが、もっとキツくなると息苦しさも出てきます」(本人)

「日に日に腹水でお腹が大きくなって、背中も圧迫されちゃって。利尿剤出してもらえませんか?」(パートナー)

「出せるんですが、どのくらい効果があるかっていうのは難しいかもしれないです。利尿剤でお小水は出るけど、お腹の水の量はどんどんたまってしまうので変わらないかと思います」(私)

「口から飲めなくなったらどうしたらいいんでしょう?」(パートナー)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因