著者のコラム一覧
近藤一博東京慈恵会医科大教授

大阪大医学部卒。近著「疲労とはなにか」(講談社)

疲労の謎がここまで分かった(2)休んでも回復しない「病的疲労」は脳内で炎症が起きている

公開日: 更新日:

 前回、疲労は「生理的疲労」と「病的疲労」の2種類に大別されるとお伝えしました。

 1日休めば回復するような短期的な疲労を「生理的疲労」、これに対し強い疲労感が長期間続く疲労を「病的疲労」と呼んでいます。病的疲労は、れっきとした疾患であり、生理的疲労とはまったく違うものです。代表的なものとして、慢性疲労症候群、うつ病、そして新型コロナ後遺症が挙げられます。

 慢性疲労症候群は、日本だけでも8万~24万人の患者がいるとされています。新型コロナ後遺症の患者数は、2023年8月時点で、日本に300万人います。

 では、「生理的疲労」と「病的疲労」の違いは、なにが原因なのでしょうか。本質的な違いは、脳内炎症が起きているかどうかです。病的疲労は脳内で炎症が起きているのです。

 また前回、疲労の度合いは、唾液中の「ヒトヘルペスウイルス6」(HHV-6)の数でわかり、疲労するとHHV-6が再活性化して唾液中に増えるが、「病的疲労」ではHHV-6が増えないことも紹介しました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?