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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

進行前立腺がんは骨転移の治療が大切…放射線は発症48時間以内に

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 その悪性度は、前立腺の10~12カ所から組織を採取してチェック。悪性度が高いと、近くの骨やリンパ節に転移しやすいのが特徴。特にホルモン治療が効かないタイプは、80%の頻度で骨転移が発生しますから、進行前立腺がんでは骨転移の治療が大切です。

 転移しやすいのは脊椎や骨盤、肋骨などで、がん細胞の一部が血流にのって骨に移動。その骨でがん細胞が増殖すると、神経を圧迫することによる痛みやしびれなどが現れたりして、悪化すると歩けなくなることもあります。骨がもろくなって、骨折することもゼロではありません。

 また、骨髄機能が低下するため、血液細胞をつくる機能が低下し、白血球や赤血球、血小板などが減少。血小板の減少で出血しやすくなると、それで命が奪われてしまいます。

 実は骨転移には放射線が効果的で、痛みは8~9割改善。しびれもかなりよくなり、歩けるようになります。この素晴らしい効果を得るには、発症してすぐに放射線を照射することが重要。そのリミットは48時間以内で、それより遅いと、回復しにくい。

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