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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

ウイルスが原因ではない肝臓がん…リスク判定検査と減酒の効果

公開日: 更新日:

 阪大病院をはじめとする研究グループは、脂肪肝の人の血中タンパク質GDF15の数値を調べて、肝臓がんのリスクを調査。

 その結果、その数値が1.75ナノグラム/ミリリットルより大きいと、5年後の肝臓がん発生率は16.5%と高率であることが判明。そのほか、肝臓の状態が悪化することによる入院や死亡も起こりやすいことが分かりました。

 これから脂肪肝の人はこの数値を指標に、より精密な検査や治療が行われるようになるかもしれません。検査頻度をどれくらいにするか検討するには、役立つと思われます。

 私は晩酌が好きで、その影響によるまだら脂肪肝です。そのチェックのため、定期的に腹部エコー検査を受けています。その結果を見ながら、一時的に晩酌の量を減らすなどしています。

 禁煙が効果を得るには、20年以上の長い年月が必要ですが、断酒や減酒の効果は比較的早く認められることが分かっています。韓国の調査によると、軽度飲酒者が断酒すると、アルコール関連がんのリスクが低下したほか、重度飲酒者が中等度もしくは軽度に減酒するとアルコール関連がん・全がんリスクがともに減少しました。調査機関の中央値は6.4年でした。

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