認知症の発症や進行予防に「料理」が有効なのはどうして?

公開日: 更新日:

役割を取り上げず、料理を一緒に作る機会を

 在宅で介護されていると、ご家族は火の不始末や包丁の扱いを心配して、本人から台所に立つ機会を奪ってしまうケースも少なくありません。ですが、かつて料理をしていた人であれば手続き記憶として感覚が残っているため器用に包丁を使いこなせる場合もあります。その人の役割を取り上げるのではなく、料理を一緒に作る機会を持ってみてください。その際、ご家族は「料理を教えてもらう」立場でお手伝いをお願いし、ゴマをする、大根をおろすなどの役割を担当してもらいましょう。立ちながらの作業が難しければ、椅子に座りながらで構いません。感謝の気持ちや、「おいしいね」と感想を伝えることが非常に大切であり、自尊心や自己有用感のアップにつながります。

 一緒に料理を作る中で、ご家族にとっても「あの頃お母さんがこの料理を作ってくれたな」と当時を思い出したり、「こう味付けした方がいいのよ」と母親らしい一面が見えやすい。料理活動では、普段のケアされる側とケアする側といった立場ではなく、親として自分を引っ張ってくれていた、かつての親に“出会い直す”こともできるのです。

▽湯川夏子(ゆかわ・なつこ) 1993年、奈良女子大学人間文化研究科修了、博士(学術)。2017年4月から現職。研究分野は調理学、食育。03年から料理療法の実践研究を実施。編著書「認知症ケアと予防に役立つ料理療法」(クリエイツかもがわ)他。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK3年連続赤字で番組制作費82億円カット…タモリもダーウィンも華大も豊臣もピンチ!

  2. 2

    萩本欽一〈24〉相方の坂上二郎さんとは「遊ばない・食事しない・夢を語らない」を徹底した事情

  3. 3

    289億円負債で経営破綻した絆ホールディングスと政界の“不可解なキズナ”を福祉関係者が注視

  4. 4

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  5. 5

    日テレが「news LOG」和久田麻由子を全面バックアップできない切実事情…佐藤栞里や有働由美子との決定差

  1. 6

    「愛子天皇」潰しが国会の最優先法案? 麻生副総裁の野望に振り回される皇室と国民生活

  2. 7

    本田圭佑がサッカーW杯解説で「独り勝ち」 テレビ&CM争奪戦ボッ発で“ワリを食った”あの人

  3. 8

    高市首相の「反社会性パーソナリティー」を精神科医が懸念…海外メディアもG7での“虚勢”をさらし上げ

  4. 9

    元ボクシング世界王者・薬師寺保栄が妻に無断でレースQの愛人を「養女」に…妻が明かした苦しい胸中

  5. 10

    ソフトバンク中村晃が現役引退へ…当面の仕事は「幼稚な二軍選手」の根性叩き直し