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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

山川豊さんが告白…肺がんの脳転移は長期延命どころか治る可能性も

公開日: 更新日:

 では、その治療をどうするか。一番は、腫瘍にピンポイントで放射線を照射する定位放射線治療と分子標的薬のチロシンキナーゼ阻害薬の組み合わせです。それも、同時併用がベスト。それぞれの治療の順番を調べたところ、同時併用が最も効果的だという研究結果があります。

 ところが、日本では、チロシンキナーゼ阻害薬を先に投与してから定位放射線治療を行うことが少なくありません。脳転移が見つかったら、定位放射線治療と分子標的薬の同時併用。これが大切です。

 この分子標的薬は、効く人が分かっていて、事前にチェックすることができます。がん細胞の表面には、細胞増殖にかかわるスイッチのような働きをするタンパク質がたくさん存在します。それがEGFRで、EGFRを構成する遺伝子の一部に変異があると、がん細胞が限りなく増殖してしまいます。分子標的薬は、このスイッチをオフにするのです。

 そこに着目すると、この分子標的薬が効くのはEGFR遺伝子が陽性の人になります。それが陽性の人に分子標的薬と定位放射線治療を組み合わせると、5年以上生存する確率が高まります。私の患者さんでは、脳転移が単発か少数の場合、治癒したケースもあるのです。

 EGFRが陽性の場合の脳転移は、小さな腫瘍が多数できる傾向がありますが、山川さんの告白によれば2個といいます。EGFR陽性でない腺がんの可能性もあるかもしれません。

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