トリプルネガティブ乳がん…新たなメカニズムの薬の登場で診療はどう変わる?

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 がん細胞をピンポイントで狙って攻撃する薬として分子標的薬があるが、分子標的薬と抗がん剤のそれぞれの長所を併せ持つのが抗体薬物複合体になる。

 乳がんは、手術ができる場合も、手術、薬物、抗がん剤を組み合わせて治療を行うことが多い。

 薬物療法でどの薬を使うか、治療計画を立てる上で重要になるのが病理検査でわかるサブタイプだ。これは、何によって増殖するタイプかを示す。最も多いのが、女性ホルモンによって増殖する「ホルモン受容体陽性」タイプ。HER2タンパクというタンパクによって増殖するタイプは「HER2陽性」タイプ。女性ホルモンも、HER2タンパクも増殖にかかわっていないタイプは「トリプルネガティブ」となる。

「ホルモン受容体陽性なら女性ホルモンを抑制するホルモン療法が、HER2陽性ならHER2タンパクを抑制する抗HER2療法が適しています。さらには、ホルモン受容体陽性の一部と、HER2陽性では抗がん剤治療も行います。一方、トリプルネガティブ乳がんではホルモン療法や抗HER2療法は効果がなく、これまで使える薬は抗がん剤、2021年から再発・転移のトリプルネガティブ乳がんに対して保険適用となった免疫チェックポイント阻害剤でした。今回、新しく薬が承認され、治療選択肢が増えたことになります」

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