トリプルネガティブ乳がん…新たなメカニズムの薬の登場で診療はどう変わる?

公開日: 更新日:

 がん細胞をピンポイントで狙って攻撃する薬として分子標的薬があるが、分子標的薬と抗がん剤のそれぞれの長所を併せ持つのが抗体薬物複合体になる。

 乳がんは、手術ができる場合も、手術、薬物、抗がん剤を組み合わせて治療を行うことが多い。

 薬物療法でどの薬を使うか、治療計画を立てる上で重要になるのが病理検査でわかるサブタイプだ。これは、何によって増殖するタイプかを示す。最も多いのが、女性ホルモンによって増殖する「ホルモン受容体陽性」タイプ。HER2タンパクというタンパクによって増殖するタイプは「HER2陽性」タイプ。女性ホルモンも、HER2タンパクも増殖にかかわっていないタイプは「トリプルネガティブ」となる。

「ホルモン受容体陽性なら女性ホルモンを抑制するホルモン療法が、HER2陽性ならHER2タンパクを抑制する抗HER2療法が適しています。さらには、ホルモン受容体陽性の一部と、HER2陽性では抗がん剤治療も行います。一方、トリプルネガティブ乳がんではホルモン療法や抗HER2療法は効果がなく、これまで使える薬は抗がん剤、2021年から再発・転移のトリプルネガティブ乳がんに対して保険適用となった免疫チェックポイント阻害剤でした。今回、新しく薬が承認され、治療選択肢が増えたことになります」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参院選神奈川で猛攻の参政党候補に疑惑を直撃! 警視庁時代に「横領発覚→依願退職→退職金で弁済」か

  2. 2

    国分太一だけでない旧ジャニーズのモラル低下…乱交パーティーや大麻疑惑も葬り去られた過去

  3. 3

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  4. 4

    参院選千葉で国民民主党に選挙違反疑惑! パワハラ問題で渦中の女性議員が「証拠」をXに投稿

  5. 5

    石破首相の参院選応援演説「ラーメン大好き作戦」ダダすべり…ご当地名店ツラツラ紹介も大半は実食経験ナシ

  1. 6

    ホリエモンに「Fラン」とコキ下ろされた東洋大学の現在の「実力」は…伊東市長の学歴詐称疑惑でトバッチリ

  2. 7

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  3. 8

    参院選終盤戦「下剋上」14選挙区はココだ! 自公の“指定席”で続々と落選危機…過半数維持は絶望的

  4. 9

    外国人の「日本ブーム」は一巡と専門家 インバウンド需要に陰り…数々のデータではっきり

  5. 10

    「サマージャンボ宝くじ」(連番10枚)を10人にプレゼント