著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

「睡眠不足」は記憶力、精神面、認知症リスクに影響を与える

公開日: 更新日:

 東北大学の瀧らによる調査によると、睡眠不足は長期的な記憶についても問題を起こすことが分かっています。5歳から18歳までの健康子ども290人(男女比は半々)の頭部のMRIを撮影して脳の形態を調べると同時に、アンケートによって同じ子どもたちの生活習慣を調査しました。

 すると、睡眠時間が1日5~6時間ぐらいの子どもたちよりも、9~10時間ぐらいの子どもたちのほうが海馬が1割程度大きかったという結果が分かりました。つまり、睡眠時間が長い子どもは、短い子どもよりも海馬が大きくなる傾向があるといえるのです。

 睡眠不足が脳に悪影響をもたらす研究は多数存在します。

 国立精神・神経医療研究センターの研究チームが行った実験(2013年)では、睡眠不足時にはネガティブな情動刺激に対して扁桃体の活動量が増大することが明らかになっています。

 この実験では、健康な成人男性14人を対象に、5日間の1日8時間睡眠と同4時間睡眠の両方を体験してもらうというものでした。その上で、MRIを用いて脳活動の変化を観察したところ、短期間の睡眠不足でも情動的な不安定が増大--寝ていないときにネガティブな情報を受け取ると、いつも以上に精神的に落ち込んでしまうことが分かったといいます。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  2. 2

    国民民主党の支持率ダダ下がりが止まらない…ついに野党第4党に転落、共産党にも抜かれそうな気配

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    来秋ドラ1候補の高校BIG3は「全員直メジャー」の可能性…日本プロ野球経由は“遠回り”の認識広がる

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  3. 8

    脆弱株価、利上げ報道で急落…これが高市経済無策への市場の反応だ

  4. 9

    「東京電力HD」はいまこそ仕掛けのタイミング 無配でも成長力が期待できる

  5. 10

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー