著者のコラム一覧
荒井宏幸クイーンズ・アイ・クリニック院長

クイーンズ・アイ・クリニック院長。医学博士・眼科専門医。医療法人社団ライト理事長。みなとみらいアイクリニック主任執刀医。防衛医科大学校非常勤講師。

やたらと光をまぶしく感じるようになったら、すぐに眼底検査を

公開日: 更新日:

 私は診断した際、患者さんに必ず眼底写真をお見せし、「今のうちに糖尿病の治療をしっかり始めないと、将来的に視力を失う可能性があります」と、きちんと説明するようにしています。

 とはいえ、本人に自覚症状がないこともあり、危機感を持たない方もいらっしゃいます。単純性網膜症の段階では、たとえ視覚にわずかな異常を感じていたとしても、まだ視力は保たれているため、「大丈夫」と思ってしまうのです。そのため、すぐに内科を受診されない方が少なくないのが実情です。

 しかし、単純性網膜症が進行して「増殖性網膜症」に移行すると、失明のリスクが一気に高まります。そうした現実を知っているだけに、患者さんの反応にもどかしさを感じることがあります。

 なお、糖尿病を発症したからといって、すぐに網膜症になるわけではありません。単純性網膜症が現れるのは、多くの場合、糖尿病を10年近く治療せずに放置していた方です。

 眼科で単純性網膜症が見つかり、内科を紹介して血液検査を受けた患者さんは、空腹時血糖値が180ミリグラム/デシリットル以上で、ヘモグロビンA1cの値が10%を超えているケースが目立ちます。

 ちなみに正常値は、空腹時血糖値が110ミリグラム/デシリットル以下で、ヘモグロビンA1cは5.9%以下です。この値が6.0~6.4%になると「糖尿病予備群」とされます。

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