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南渕明宏昭和医科大教授

心臓血管外科専門医、医学博士。

数学偏重の医学界…「この世は人知の及ばない摂理に支配されている」のでは

公開日: 更新日:

 その比率は1対1.618(約、√5は無理数)。

 ホントは「手術中に誰がそんなの測るの? んなわけないでしょ!」ということなのですが、「これはフィボナッチ数列の特性方程式の解ですよ」などと付け加えると、「なるほど! きっと流体力学的にも最適解なんだろうな!」と理解してくれます。

「神がこの世を書き表した言語、すなわち数学」が登場したことで、数学大得意が多数を占める医者社会は大喜びしてくれるのです。

 医学部の入学試験は数学偏重です。医者の世界はトーケイ学などという、現実世界や未来を数字で表して喜んでいるカルト宗教に占拠されています。

 治療で思った通りの結果が出なかった患者には、「エビデンスどおりじゃないなんて、あんたは例外です! ザンネーン!」と処理されるかもしれません。

「目の前の患者は唯一無二、一期一会、この世は人知の及ばない摂理に支配されている」と考える自然哲学のヘラクレイトス学派は稀なのです。

【連載】医療のミカタ 医療のフシギ

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