下肢装具の製作で義肢装具士の技術力が重要なのはなぜか
そうした迅速に回復した患者さんの場合は、先ほど触れた備品の長下肢装具を使って歩行リハビリを行います。長下肢装具をオーダーした場合、完成まで10日間ほどかかります。このため、迅速に回復する患者さんで長下肢装具を製作しても、完成時には短下肢装具になり、長下肢装具が無駄になるケースがあるからです。
下肢装具は、医師の診断による「治療用装具」として作るものなので、医療保険の適用となります。オーダーメードの長下肢装具の価格はだいたい1本18万円程度ですから、3割負担であれば5万4000円、1割負担なら1万8000円が自己負担額になります。短下肢装具は長下肢装具の半分ほどの価格です。
■患者に合わせたフィッティングが重要
下肢装具をオーダーメードで製作する際、大切なのが義肢装具士の技術力です。それぞれの患者さんの体格や症状に合ったバランスや装着感が良い下肢装具でなければ、積極的な歩行リハビリ訓練はできないからです。そのため、当院に週2回のペースで定期的に来てもらっている義肢装具製作所が2社あります。たしかな技術力を持った義肢装具士が揃っている2社を厳選しています。それぞれ得意にしているポイントがあるので、患者さんの下肢装具の目的に応じてより適した方を選択し、下肢装具の製作を依頼します。