肝臓がん再発防止でエビデンスがある唯一の生薬「フアイア」とは

公開日: 更新日:

 肝臓がんに対して高いレベルのエビデンス(科学的根拠)があるとして、2018年以降、中国や米国で注目を集めているのが「Huaier(フアイア)」という生薬だ。

 これを用いた治療を行う新見正則医院(東京・千代田区)院長の新見正則医師に話を聞いた。

 フアイアは、キノコの菌糸体から抽出された成分が原料の生薬だ。中国では1992年から抗がん新薬として使用されてきたが、注目を集めるようになったのは18年。肝臓がん手術後の患者1000例超を96週間(24カ月)観察したフアイアに関するランダム化比較試験が、消化器学の権威ある国際的医学誌「Gut」に掲載されたのだ。

 それによると、フアイア投与群686例と対照群316例を比較したところ、フアイア群は無再発生存期間の平均値は7週間長く、無再発率は13%以上高かった。無再発生存期間とは、再発も転移もない期間のこと。副作用については、軽い下痢しかなかった。

「この研究の特に着目すべき点は、大規模研究であること、エビデンスレベルが高いランダム化比較試験であること、あらかじめ米国の研究機関に申請された研究で影響力の高い国際的ジャーナルに掲載されたこと、副作用が軽い下痢だけだったことなどです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  3. 3

    松下洸平“電撃婚”にファンから「きっとお相手はプロ彼女」の怨嗟…西島秀俊の結婚時にも多用されたワード

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  1. 6

    (1)広報と報道の違いがわからない人たち…民主主義の大原則を脅かす「記者排除」3年前にも

  2. 7

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  3. 8

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  4. 9

    自民党「石破おろし」の裏で暗躍する重鎮たち…両院議員懇談会は大荒れ必至、党内には冷ややかな声も

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」