「一人でいる」という状況は言葉次第で受け取り方が変わる
驚くべきは、事前に「me-time」とランダムで振り当てられた被験者が、「これはisolationですよ」と告げられたケースだと、もっとも気持ちが沈んでしまう傾向にあったという点です。自分の中では、「自分の時間」だと認識していたのに、他者の横やりで「それは孤独だ」などと言われると、きわめて気分が沈んでしまうことが示唆されたのです。
また、この実験では「孤独」という言葉が、普段の生活の中で人々にとってどんな意味を持っているのかについても調べました。たしかに、「孤独」とは物理的に一人でいることを指すのか、それとも誰かと一緒にいても心の中で一人になることなのか、人によって解釈が異なりますよね。
ロドリゲスらは、19歳から80歳までのさまざまな背景を持つ大人60人にインタビューを行い、「あなたにとって孤独とは何を意味しますか?」と質問しました。すると、物理的に一人でいなくても、心の中で他人から離れたり、SNSなどの交流から離れていれば、「孤独」になり得ると感じている人が多いことが分かりました。半面、「自分の時間」は、自分を振り返ったり、元気を取り戻したりするポジティブな時間だと考えている人が多かったそうです。