「お金のズレ」より「感情のズレ」が社会的行動を動機づける
その際、被験者は相手からの提案を見る前に、「いくらもらえるか」(報酬の予想)と「その時どんな気持ちになるか」(感情の予想)を報告します。そして、実際に提案された内容を見て、「今、どんな気持ちか」を報告します。この「予想」と「実際」の差が「感情予測誤差」となります。
さらに、その提案を被験者は「受け入れる(許す)」か、「拒否する(罰する)」かを決定し、拒否した場合は、自分も相手も報酬がゼロになるという仕組みで行われました。この実験は、被験者の感情の動きを秒単位で分析しながら行われたそうです。
結果は、お金のズレよりも感情のズレが、社会的な行動を強力に動機づけていることが分かりました。被験者が不公平な提案を「拒否する(罰を与える)」という行動は、もらえると予想していた金額とのズレよりも、予想外に不快な気持ちになったときに、より強く影響することが分かったのです。しかも、「罰する」か「許す」かという決断は、極めて早い段階で感情的に行われることも分かったといいます。
人間には、「お金ナビゲーター」と「気持ちナビゲーター」の双方があります。あなたが友人と新しいゲームを遊ぶと想像してください。


















