著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

増田恵子さんの亡き夫は…5年生存率12%のすい臓がんを早期発見するMRCP

公開日: 更新日:

 ピンク・レディーの「ケイちゃん」として親しまれた歌手の増田恵子さん(68)が、2年前に亡くなったご主人のことをテレビ番組で語り、話題となっています。報道によると、ご主人はすい臓がんで、目の不調をキッカケに診断を受けたときはすでに末期で、抗がん剤治療はパスして余生を過ごしたそうです。今回はそのすい臓がんについて掘り下げます。

 がん患者の登録データをもとにした部位別の5年生存率ですい臓は12%。前立腺や甲状腺などが9割を超える中、最悪で最凶のがんといえます。一般の方は、すい臓の異常で「なぜ目の症状が?」と思われるかもしれませんが、3つあるすい臓の部位のうち頭部にできたがんが進行すると、胆汁の通り道である胆管が圧迫され、胆汁の流れが停滞。それによって血液中にビリルビンという黄色い色素も滞留し、白目が黄色くなる黄疸が現れやすいのです。残りの2つの部位での黄疸はまずありません。

 実は、すい頭部のがんは、治療もほかの部位に比べて厄介です。解剖学的にすい頭部は十二指腸や胆管と隣接しているため、すい頭部を切除することは十二指腸や胆管も切除することになる上、がんの広がり方によっては胃の一部やリンパ節、神経なども一緒に切除する大がかりな手術になりやすいのです。すい頭部の切除は、手術の中でも最難関。術後合併症の頻度も高いのです。

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