患者さんの「名前」から見える時代の変遷
なるほど、沖縄は中国に近いからかマオがマヤになったのか、と理解するのは早合点です。福建語、台湾語ではネコはニヤウ(niau)。かつて琉球王国は、福建省の福州市に「琉球館」という施設を持っていました。琉球の「マヤ」は近世以前に盛んに交易のあったベトナム中央沿岸のチャンパー王国のビジャヤや、マレー半島の大港湾都市シュリービジャヤからの影響ではないかと私は考えています。
こういう歴史の仮説は言ったもん勝ちなのです。もちろんマレー経由、ベトナム経由でも、中国語、それも北京語の影響でしょう。
ご存じのようにネコは中東からシンドバッドのような船乗りによってアジアにもたらされたのですから、そこにいた北京語を話す有力なお金持ちの華人商人が最初に手にしたと想像しています。そこから琉球に渡ったのでしょう。
マレー語といえばハリマオ(harimau)は、hari(太陽)+mau(ネコ)でトラの意味です。「快傑ハリマオ」は1960年代の子供向け人気ドラマですが、マレー半島が舞台でした。三橋美智也さんが歌う主題歌の冒頭の「真っ赤な太陽、燃えている」が頭に焼き付いている人も多いはずです。南シナ海では太陽はいつも真っ赤です。夕暮れ時は空全体も真っ赤です。


















