SNS片手に震災とパンデミックを経験…「コロナ世代」の心をどう救うか

公開日: 更新日:

 子供はそこで、「世界は危ない」「気持ちは出さない方がいい」「挑戦より回避が安全だ」と学んでしまう。その影響は、必ずしもすぐにかつ病的に顕在化するとは限らない。むしろ、進学、就職恋愛、新しい集団への参加といった人生の節目で、挑戦しにくい、傷つく前に引く、本音を出しにくい、所属感を持ちにくい、といった形で静かに表れることが多い。

 人にとって、喜怒哀楽に代表される本音の気持ち(1次感情)は、本来、心の奥から自然に湧いてくる大切な本能的反応である。それを感じる前に押し込めたり、なかったことにしたりすると、心は別のかたちで悲鳴を上げる。イライラ、無気力、慢性的な疲労、対人でのぎこちなさとして表れ、時に精神疾患のリスクともなる。

 逆に、自分の本音の感情に気づき、それを表現し、誰かに受け止めてもらえると、人は少しずつ回復する。「共感」があれば喜びは倍増し、悲しみもより深く感じられ、その分だけ整理も進む。こうした感情体験の積み重ねは、小さな前進にも自信を深め、失敗から立ち直る復元力を育み、やがて自立への駆動力となる。それには周囲の大人の共感が、その土台となる。最新の心理医学でも、健康な1次感情を育むことこそが、病気か未病かを問わず重要であるという理解に収斂しつつある。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日向坂46「ひなたフェス」中止でもファンは宮崎へ「43億円」を動かした“推し活地方創生”の底力

  2. 2

    令和版『八つ墓村』にはこれまでにない「2つの見どころ」あり Jホラーの名匠と新・金田一耕助が魅せる

  3. 3

    「橋上代行昇格は絶対ない」 巨人来季監督に浮上する松井秀喜氏、高橋由伸氏に次ぐ「第3の男」

  4. 4

    青学大の4年間は「ひたすら駅伝を目指す」だけじゃない 今夏は初の海外合宿に踏み切った

  5. 5

    巨人・阿部前監督が球団復帰へ着々 「辞任4カ月での出戻り」は毒になるか、薬になるか

  1. 6

    佐々木朗希の最悪すぎる“退団劇”…ロッテから優秀スタッフ3人を引き抜き、大顰蹙を買っていた

  2. 7

    元関脇嘉風・中村親方〈1〉なぜ「朝稽古をしない」のか? 角界の常識から“あえて外れる”部屋づくり

  3. 8

    桑田真澄氏の発言が波紋 巨人の内部事情暴露のやけっぱち…来季監督の芽は完全消滅か

  4. 9

    六代目との抗争終結で勝ちどきをあげているのは絆會

  5. 10

    コメ農家廃業ラッシュ&米国産ジャガイモ輸入解禁に生産者猛反発! 農水省にはブーイングの嵐