SNS片手に震災とパンデミックを経験…「コロナ世代」の心をどう救うか

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■正論より耳を傾けること

 コロナ世代の心を守るとは、もしまだ語りきれていない1次感情があるなら、もう一度触れられる場を取り戻すことでもある。あの時、本当は何が怖かったのか。何が悔しかったのか。何が寂しかったのか。何に腹が立っていたのか。そうした感情を言葉にし、それが重要な他者に受け止められたとき、人は初めて、自分の人生を自分のものとして引き受け直すことができる。

 一度身についた不適切な体の使い方が、その後の疲労や痛みを生み出すように、心もまた、被災や混乱の中で覚えた感情の感じ方が、その後の人生経験の積み重ねの中で信念や価値観を形づくる。そうした心の癖は、長い目で見れば生きづらさや、自らの未来の可能性に背を向けることにつながる。

 大人に求められるのは正論ではない。まず耳を傾けることである。これまで子に寄り添って心の内を聴き出せていなかった親ほど、そして、そうしたやりとりに傷つき、親との対話そのものに愛想を尽かしてしまった子ほど、今さら尋ねても、なかなか本音など出てこない。しかし、被災という特殊なテーマであれば、従来の親子関係からは少し距離があり、かえって話しやすいことがある。

 この世代のわが子が何を感じ、何をのみ込み、何を言えずにいたのかを語り合う機会としてみてはいかがであろうか。その小さな対話こそが、子の心のありようを知るための最も現実的なリトマス試験紙であり、また処方箋ともなりうると私は考える。

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