(1)一流のサッカー選手は「口の健康度」が高い

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 実際、1984年のロサンゼルス五輪では20人以上の選手が、歯科トラブルで本来の力を出し切れなかったことがあったそうです。その苦い経験を踏まえ、4年後の88年ソウル五輪からは、選手たちへの歯科のサポート体制が始まりました。それまで実施されていた内科、整形外科に加え歯科の検診も行われるようになったそうです。

「さらに、2013年には日本体育協会(現日本スポーツ協会)公認のスポーツデンティスト制度が発足し、アスリートを口腔の健康面からサポートする体制が整いました。五輪の選手は、スポーツ科学センターで出発前に歯科検診を受けています」(安井理事長)

 アスリートを陰で支えるスポーツデンティストは全国で667人が登録され(令和7年現在)、スポーツドクターなどの他のメディカルスタッフと共に歯科医学の面から選手たちの健康管理、外傷の診断、治療、予防を行っているそうです。

「アスリートの健康管理の基本である食は、きちんとかんで食べられる口腔状態でないと維持できません。また、口腔内や顎関節に炎症が起これば確実にパフォーマンスが低下します。咬合は筋力や重心の安定に大きく影響します。これらを総合的にサポートするスポーツデンティストになるためには、スポーツ歯科学の専門知識や経験が条件にされており専門性の高い資格の一つといえます」

 根性と努力だけではなく、医学・歯学的なアプローチが必須だと安井理事長は強調します。 =つづく

(医療ジャーナリスト・油井香代子)

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