夏のレジャーの後は「時間差熱中症」に要注意…35%が数時間後や翌日に症状を実感
楽しく集中していると初期症状を自覚しにくい
夏休みは海や川、山などに出かけたり、BBQや祭りなどイベントに参加したり、レジャーが盛りだくさんだ。そんなときは男性のようにピーク時から遅れて発症する時間差熱中症が少なくないという。
大正製薬が今年6月、20代以上の男女731人に行った調査でも約35%が「数時間後や翌日になって体調不良を感じた経験がある」と回答。時間差熱中症が疑われるデータといえる。
済生会横浜市東部病院患者支援センター長・谷口英喜医師が言う。
「夏のレジャーなどで炎天下にいても、楽しく集中していると、のどの渇きや疲労感、だるさといった初期症状を自覚しにくい。BBQをはじめ飲食をともなうレジャーだとなおさらです。しかし気づかないうちに脱水が進むと、体温コントロール機能が少しずつ低下。体に熱がこもり、臓器機能も低下し、めまいや頭痛、吐き気、食欲不振などの症状が悪化し、最悪の場合、意識障害を招く恐れがあるのです」
前述の男性も「食事をしていたから脱水には気が回らなかった」と苦笑いするが、アルコールは脱水を助長する。そんなことは多くの人にとって常識だろうが、そこに気づかないのがレジャーの怖さでもある。
夏のレジャーを終えて涼しい所に移動して不調に気づいたら要注意だ。どんな症状が危ないのか。谷口医師が続ける。
「顔が赤い、または顔色が悪い、ボーッとする、返事が遅い、動きが鈍い、強い眠気がある、頭痛や吐き気がつらい、食欲がない、いつもより口数が少ない、めまいが続いている、翌朝までだるさが残る、帰宅後もぐったりする、といった症状があれば時間差熱中症かもしれません」
時間差熱中症を防ぐには、レジャーに参加する前の行動が重要だ。
「睡眠不足や疲労があると、体温調節機能が十分に働きません。前日は十分に睡眠をとることが大切です。夏は朝食を抜きがちですが、レジャー前の空腹は禁物。起床時は汗をかいて軽い脱水状態のため、欠食が重なると、食事で補えるはずの水、電解質や糖分も不足した状態で活動することになります。それで暑熱環境に身を置くと、より脱水が悪化し、発汗で電解質バランスがさらに乱れ、体温調節の乱れにつながりやすくなるのです。朝食では、ご飯やパンなどの糖分に加えて、みそ汁やスープで水分と塩分、さらに卵や肉などでタンパク質を組み合わせるのが理想的。その時間がなければ、糖分とビタミンB群、アミノ酸を配合したゼリー飲料だけでも摂取すべきです」(谷口医師)
レジャーの最中は、のどが渇く前に水分摂取を心掛けること。夏の楽しい思い出になるはずが、つらい記憶にならないよう、夏のレジャーは出発前の対策が肝心だ。
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