著者のコラム一覧
荒井宏幸クイーンズ・アイ・クリニック院長

クイーンズ・アイ・クリニック院長。医学博士・眼科専門医。医療法人社団ライト理事長。みなとみらいアイクリニック主任執刀医。防衛医科大学校非常勤講師。

転倒の原因の3分の1は「遠近両用メガネ」…米国眼科学会の調査発表

公開日: 更新日:

「遠くを見る」部分と「近くを見る」部分が、1枚のレンズの中に設計されているのが、遠近両用メガネです。レンズの下半分は「近く(手元)」を見るための度数になっており、その部分で物を見ると、視界がぼやけてしまいます。歩行時では、階段や段差の距離感をつかめず、つまずきやすくなってしまいます。さらに遠近両用メガネのレンズは、近視や遠視のレンズと比べて視野も狭くなりやすい。これも転倒原因につながる可能性があります。

 年齢を重ねた人が転倒すると、骨折するリスクが高くなります。骨折をきっかけに、心身の活力が低下した状態のフレイルとなり、寝たきりになる人も少なくありません。そのため眼科医の中には、転倒防止の観点から、遠くも近くも見えるが遠近両用メガネのようにぼやけて見えることはない遠近両用コンタクトレンズや多焦点眼内レンズを推奨する人もいるのです。

 ここで眼科医としてのお願いです。老眼で見えにくいと感じたら、メガネ屋さんに足を運ぶのではなく、まずは眼科を受診してください。すでに遠近両用メガネを使っている人で、「視界がぼやける時がある」と感じている人も同様です。自分の生活に合った「見える」ための方法には何があるのか──。眼科医にしっかりと相談し、検診や視力検査を行った上で、「見える」方法を見つけていただきたいと思います。

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